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自信がないから、やりまくる。|小日向優哉 × 星野真弓 店長対談

対談する まんまる薬局 OMF光が丘の小日向優哉さんと RWG青砥の星野真弓さん

今回のまんまるの輪は、”店長対談”です。

まんまる薬局 OMF光が丘の店長・小日向優哉さんと、RWG青砥の店長・星野真弓さん。どちらも薬剤師です。9月のある夜、オンラインで顔を合わせたふたりは、あいさつもそこそこに「今度飲みに行こう」の日程をその場で決めてしまいました。

そこから約1時間。目標の立て方、任せ方まで、さまざまな話が展開されました。店長同士の飾らない会話を、ほぼそのままお届けします。

「今決めちゃおう」——行動の早さは、どこから来るのか

小日向 ちょうどね、まゆみさんと飲みに行こうってこの前話してたんですよ。今それ決めちゃおう。池袋にめっちゃうまい店があって、1回ひとりで行こうとしたら混んでて入れなかったんです。予約しときますね。

星野 ありがとうございます、楽しみ。……いや、ゆうやさんはやっぱり行動が早いですね。こういうのもそうですし、毎月のレポートも「いつ書いてるんだろう」っていつも思ってて。

私はギリギリタイプなんです。前日の業務終わりに書くんですけど、その時点で埋まってるのって、ゆうやさんを含めて一部の店長だけなんですよ。それがルーティンになってるのって、すごく強いなって。

小日向 いや、シンプルに前日にやるのしんどくないですか?(笑)

星野 しんどいんですけど、気がついたらそうなってるんです。頭の中では月の真ん中くらいに「今月はこういう1か月だったな」「この課題はここまで行けてるな」って整理していて、それを最後に出すだけなので、時間がかかるわけじゃないんですけど。

小日向 なるほど、めっちゃ分かります。僕はたぶん、そこをメモ代わりにしてるんですよね。思いついたときに少しずつ書いておいて、直前は整えるだけ。

目標から逆算すると、初動の迷いが消える

小日向 みんな僕のことを「行動力がある」とか「即決」とか言ってくれるんですけど、最近大事だと思ってるのは、その行動がちゃんと目標から逆算されているかどうかなんです。

今までは突発的だったんですよ。目標はあったけど抽象的すぎて、逆算した行動かと言われたら違った。今は1年、5年、10年の目標を立てて、そこに行動が付いてきているかを考えるようにしています。

目標とリンクしている行動なら、やるに決まってるじゃないですか。逆に「これってどうなんだろう」と迷いがあると、初動が遅れる。短期の目的が少しずつ持てるようになってから、初動の障害が減った感覚があります。

星野 めちゃすごいですね。

小日向 この前、別の店舗の人とも少し話したんですけど、何を目標にしているかがない人って結構多いんですよね。目の前の業務が大変なのは分かる。でも、それが何につながるのか見えていないから、1日のタスクに忙殺されて、体力がなくなっちゃう。そう感じたんです。

対談で笑顔を見せる まんまる薬局 OMF光が丘の店長・小日向優哉さん
まんまる薬局 OMF光が丘 店長・小日向優哉さん

「嫌いな仕事が、ないんです」

小日向 まゆみさんって、僕の中では仕事がめっちゃ早くて、確実で、しかも丁寧なイメージなんですよ。僕は結構手を抜くんです。やりたくないことはやりたくないし、整理とか調整とかは「全部やってよ」って感じだから(笑)。やらされてる感って、まゆみさんの中にはあるんですか?

星野 やらされてる感は、ないですね。以前「まんまるで働く中で、好きな仕事と嫌いな仕事はありますか」と聞かれたことがあって、そのとき気づいたんです。私、嫌いな仕事はないんですよ。かといって「これだけは絶対やりたくて来た」という仕事もない。全部を、温度差なくフラットにやってる感覚です。

小日向 めっちゃすごい。それで自主的に動けるのはなんでなんですか?シンプルに気になる。

星野 自分で内省するとよく行き着くのが、追われている感覚なんです。やらなかったことで結果が悪くなったり、誰かが困る状態になったらどうしよう、って。そうならないためにやっている感じです。

小日向 責任感の強さもあるんだろうな。

星野 確かに、感覚はそんな感じかもしれないです。

でも、1年ちょっと前——LWGひばりが丘や CB目黒の立ち上げをしていた頃は、正直しんどかったんです。今までと働き方も考え方も違うし、誰に相談すればいいのかもよく分からなくて。

今は店舗が増えて、店長も増えて、いろんな人のやり方や強みが見えるようになりました。困ったら誰かに相談すればいい、と思える。そこはすごく大きいし、楽しくなりましたね。

対談で笑顔を見せる まんまる薬局 RWG青砥の店長・星野真弓さん
まんまる薬局 RWG青砥 店長・星野真弓さん

自信がないから、やりまくる

星野 私、たぶん根っこはネガティブなんです。めっちゃ頑張らないと他の人たちに追いつけないという気持ちが、ずっとベースにある。「余裕っしょ」とは基本的に思えないんですよね。

小日向 僕もそっちタイプですよ。みんな僕のことを誤解してるんです。僕、自分に自信ないですよ。

ないから、圧倒的にやりまくるんです。技術とか、もともと持っているものなんてない。僕にあるのは継続と量だけだから、誰よりもやって、誰よりも続ければ勝てるって思っています。コンプレックスが原動力なんですよね。

星野 でもそれがあったほうが、モチベーションが下がらないですよね。うまくいったらご褒美がもらえるから頑張る、だと、ご褒美が終わったら下がってしまう。でも入口に「このままじゃダメだ」があると、ゴールがない。うまく回って、ようやく少し安心できて、「この状態を保ちたい」と思う感覚です。

小日向 めっちゃ分かりますわ。

星野 じゃあそこは一緒なんですね。私とゆうやさん、似てる。

背中を見せるか、みんなを巻き込むか

星野 ゆうやさんに聞きたかったことがあるんです。店長って、それぞれキャラクターもスタイルも違うじゃないですか。自分が背中を見せて、大変なところは全部巻き取るスタイルは、その人が圧倒的に仕事が早くて、全部を把握していて、行動力もあるから成り立つと思うんです。

私はそれができないんですよね。だから「みんなで頑張ろうね」と巻き込んで、自分は半歩くらいしか前にいない、という形で全体の底上げをしたいと思っている。そうすると、メンバーとの距離感が難しくて。上司として接したほうがいい場合もあるし、友達みたいに何でも相談できる距離がいい場合もある。ゆうやさんは、そのバランスをどう取っていますか?

小日向 僕は基本、もうメンバーに丸投げですよ(笑)。ただ、今聞かれて振り返ったんですけど、丸投げできるようになるまでには時間がかかったし、方法も今まさに模索しています。

星野 責任のない丸投げじゃなくて、意味のある丸投げ、ということですね。確かにゆうやさんって、仕事を振るのがめっちゃ苦手なイメージでした。全部自分でやっちゃう。

小日向 そうそう、苦手だったし、今でも苦手。そこはめっちゃ直しましたね。前はチェックも移動中に自分で見て、返信の仕方まで細かく指示していました。今はあえて何もしない。見ているだけ、というのを意識しています。

なんでこう考えるようになったかというと、ふと思ったんですよ。もし明日、僕がいなくなったら、光が丘は大丈夫なのかって。

メンバーが増えて、今まで後回しにしてきたマネジメントの課題が全部やってきた感覚があります。どうせいつかは向き合わなきゃいけないなら、今真剣に向き合おう、と。正直、苦しいですよ。

それと、全員に一気に任せるんじゃなくて、まずひとりのキーパーソンを見つけて、そこから輪を大きくしていく。そのために「曜日リーダー」という役割もつくりました。ただタスクを増やすんじゃなくて、責任を持ってもらう。マネジメントや数字にも触れてもらって、その人が成長できる環境をつくる。それが結果的に、自分が任せやすい環境にもなるんです。

星野 めちゃくちゃ考えてますね。でも私も、同じベースのところがたくさんありました。

私はいろんな店舗を移ってきたので、「来月で青砥を離れるよ」といつ言われるか分からない、と最初から思っているんです。だから、自分だけが抱えていて、自分だけが1秒で答えられる状態は、なくさなきゃいけない。そのためには仕事を渡さなきゃいけない、という感覚です。

評価が上がる人に、共通していること

——メンバーの評価を上げるために、本人にとっていちばん大事なことは何だと思いますか。

小日向 あり方じゃないかな。……もっと細かく言うと、姿勢ですね。ミスが起きたときの対処法とか、そういうことじゃない。挨拶とか、やりきるとか、明るくコミュニケーションするとか、素直さとか。ほとんど小学生で習うことと同じなんですよ。

数字の見方やマネジメントの方法は、手段なんです。明るさや素直さがない人に知識や手法だけあっても、「それができるだけ」になってしまう。

星野 私も一言で言うと「あり方」で一緒な気がします。付け加えるなら、大変な仕事を渡して、結果が出て、本人が成長しました——で終わるだけだと、評価は上がらないと思うんです。

その成功体験は、自分だけが成功するためのものじゃなくて、周りのメンバーや店舗全体をいい方向に動かすための、ひとつの道筋にすぎない。そう理解できるかどうか。店長になったとき「仕事を回せればいい」「数字が伸びればいい」だけだと、絶対に折れちゃうので。そこを外さないことですね。

小日向 人生、楽しく生きたいじゃないですか。仕事だけじゃなくてプライベートも全部含めて、あり方がちゃんとしていれば、きっと知らないうちに給料も上がっているだろうし、数字には見えない気持ちの部分もすごく幸せなんじゃないかな。僕は幸せになりたいから、それをやっているだけです。

星野 似てるとこばっかりだ(笑)。ゆうやさんが言った「明るく」「素直に」「しんどいときでも誰よりも明るく」「挨拶はちゃんとする」って、当たり前のことだし、みんなに求めていることですよね。でも、ベースがそうじゃない人がそれをやるのって、実はすごく大変なんです。気も使うし、頑張らなきゃいけない。それをあえてやれる人が、進んでいくんだと思います。

小日向 だからこそ、それを無意識にできる環境をつくれるリーダーでいたいですね。

「都内で頭ひとつ抜ける店長に」——問いを立てたら、行動が変わった

小日向 最近、自分に問いを立てているんです。「東京都の薬局長の中で、どうしたら頭ひとつ抜ける存在になれるんだろう」って。具体的になりすぎて、PLやBSみたいな数字の手段に走っていいのか、迷うこともあるんですけど。

もうひとつ、「今まで自分が絶対やらなかったことを、あえてやる」ことも大事だと思っていたんです。でも、やらなかったことって意識に上らないから、見つけるのがめっちゃ難しくて、結局何も行動できていなかった。

それが、「都内で頭ひとつ抜けるには」という問いを置いてから、社外の人に会いに行くとか、今までやっていなかったことを無意識のうちにやっていたんですよね。問いを掲げるのって、すごく大切なんだなと思いました。人間って、無意識にやらない理由ばかり探してるんだな、とも。

星野 でも、決めるところがいちばんハードルだと思っちゃうので、それができているのがすごいです。

小日向 いや、僕も苦しいですよ。勉強会を開いたり参加したりしているから、得意なんだろうとみんな思っているかもしれないけど、人前で話すのってめっちゃ疲れるんです。本当は家でひとり、しっぽりしているほうが楽しかったりする。正直、無理しているのは自分でも分かっています。

星野 みんな、ゆうやさんは息を吐くように人を集めるのが好きなんだろうなって思ってますよ(笑)。でも、決めないとその無理ってできないですもんね。大変なのが分かっていてやる。刺さりまくります。

私も、社外の勉強会に参加したり、事業者さんと話したりするのは、最初はめちゃくちゃハードルが高かったんです。知らない人と何を話そう、って。それがいつの間にか当たり前になっている。この前は、ずっとできていなかった松岡社長との1対1もやっと実現しました。議題を用意しなきゃとか、いろいろ考えて臨んだら、「そんなこと?それならいつでもいいのに」と言われて(笑)。やってしまえば「こんなものか」と思えるんですよね。

小日向 あと、人間って忙しすぎると視野が狭くなるんだなって思います。ときどき仕事から離れたほうがいい。

星野 頭をクリアにする時間って絶対必要ですよね。普段の仕事に追われていると、なかなかそんな時間は生まれないけど。

今日は、すごく勉強になったし刺激も受けました。「ここ1個、超えなきゃいけないよな」とぐさっと刺さる時間でした。次は飲みの場で、もっと具体的な質問もいっぱい持っていきます。

小日向 ぜひ。わちゃわちゃ話しましょう。

店長同士がこうして話すと、それぞれの強みや、その裏にある普段は出てこない想いがみえてきます。「次にリーダーになってほしいメンバーにも、こういう話を聞いてもらいたい」——星野さんのその言葉どおり、この続きは、きっと現場のどこかで広がっていくはずです。

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