外来と在宅の両方を経験して見えてきた理想の薬剤師像

国試に合格した後、調剤薬局で2年勤め、3年目からまんまる薬局に転職された薬剤師のみきさんへのインタビューです!

外来2年と在宅半年を経験したみきさんならではの見えてきた薬剤師の在り方や奇跡的なまんまる薬局への転職ストーリーが聞けました。

それでは伺っていきます!

Q1.就活の時のなりたい薬剤師像は?

薬局実習で服薬指導や薬歴入力などを経験していたので、ある程度は薬局で働いている自分を鮮明にイメージした状態で就活をしていました。

その時は、普通に薬剤師として働いていく上で、患者さんと接したり調剤業務をしたりみたいなことを週5でやっているんだろうなぁぐらいでした。

良くも悪くも現実主義なところがあったので…

就職してからもしばらく普通に調剤業務をこなしたり、服薬指導をこなしていました。まさか、こんなに早く普通から少し外れるような転職をするとは思っていませんでしたが…(笑)

Q2.調剤薬局で2年働いてどうだった?

調剤業務や服薬指導など、薬剤師の基本業務の基礎を学ばせてもらいました。

いくつかの科から処方箋が来る薬局だったこともあり、2年間を通してさまざまな症例を見ることがあって、網羅的に薬を扱える環境だったのもあり良かったです。

他にも在庫管理であったり、レセプト入力であったり、薬局の実習ではやったことない事務の方がやってくれていた業務をやる機会もあり、事務業務の大変さも知りました…

実習の時も在庫管理などを遠目から見ていて知っていましたが、そこまで業務の理解は深くなかったので基礎を学べた感じでしたね。

いつから転職を考え始めたんですか?

居た薬局でも2,3件の個人在宅をやっていたのですが、1年半が経つ頃に在宅専門の薬局に興味を持ち始めました。

そこからはTwitterで情報収集したりしていましたね。

Q3.まんまる薬局との出会いは?

はじめは松岡さん、まんまる薬局の方々のSNSを見ていました。

見ているうちにいいなぁって思って、元旦の1月1日にまんまる薬局のホームページから応募したんです。

元旦に送るって凄いですね。なんかエネルギーに満ちている感じというか(笑)

でも、逆に元旦に送ったこともあってか返信をもらえず、3週間後ぐらいにもう一度送ってみたんですけど、それでも返信がもらえなかったんですよね。

もうまんまる薬局は無理なんだと思って、マイナビに登録して神奈川の薬局に転職しようとしてたんです。

これが私がまんまる薬局を諦めたツイートです(笑)

そしたら、このツイートが奇跡的に松岡さんの目に入って、松岡さんからDMが来たんです。

松岡さん曰く、「何かまんまる薬局のことなんじゃないかなって思ってDMしたんだよね」だそうです(笑)

なら返信してよ!!とも少し思いましたが、運命を感じましたね。

その後、日程調整してzoomでお話させていただいて、まんまる薬局への転職が決まりました。

もう運命ですね。転職してから半年経ちますが、最近の心境はどうですか?

もう半年経つんですね…(笑)

本当にあっという間っていう感じですね。気づいたら1週間経ってるし、気づいたら今日も木曜日ですよ。

転職前には想像できていなかったことをやらせてもらっているなって思います。

新しい店舗が最近オープンしたんですけど、その店舗の内装であったり、店舗内の道具の配置までやるとは思ってなかったですもん(笑)

まんまる薬局1年目で新店舗に関わるって数年後にはエモくなってそうですね…!

Q4.この半年で印象に残っている訪問は?

あります。

すぐに怒ってしまう患者さんがいらっしゃって、その時は薬が喉にひっかかってしまって飲めないって怒っちゃってたんです。なので、薬の大きさを確認してみたら、ミカムロやグルコンサンKなど、大きめの薬が多かったんです。このことが先生に伝われば良いなと思い、その旨と服用薬をいくつか減らせないか検討して欲しいとメモを書き残して置きました。

そしたら、先生が連絡をくださって処方薬を変更してくれました。

  • OD錠に変更
  • 3種類の薬を減薬
  • ミカムロBPからテルミサルタン40mg 2Tとアムロジピン5mgに切替

具体的な変更はこんな感じでした。

元々、粉が苦手ということもあり、粉に変えてもコンプライアンスが下がってしまうと考え、このように変更してもらいました。

私がメモ書きを置いたところから先生が連絡をくださってからは、私が訪問看護の方へも患者さんの嚥下機能についてヒヤリングさせていただき、患者さんの意見を尊重したいわゆるコンコーダンス的に患者さんのコンプライアンスについて考えることが出来てよかったです。

自然に周りを巻き込みつつ、早速QOL改善に向けて動かれていて素晴らしいですね。まだ半年なのに立派なストーリーですね!!

でも一つ心残りがあって、すぐに改善できなかったんですよね。

アドヒアランスが元々低かったり、患者さんご自身に病院に戻りたい気持ちがあるという背景をボランチの方に聞いてから初めて行動できたんです。

もっと早く自分から薬以外の患者さんの情報も知りに行けばよかったと思ったり、電子カルテの既往歴などの表面上の情報だけでは難しい部分だなとも感じました。

この患者さんは5月に担当になったのですが、改善できたのは7月で最近だったんです。すぐに結果を出していきたい反面、長い目で寄り添っていかないと難しい側面もあるんだなと思いました。

薬学部では習わないことですが、薬以外の患者さん自身の情報ほど大事なんだと痛感するエピーソードですね…

Q5.外来と在宅をやってみて、それぞれ良かったことは?

まず外来ならではの経験で一番良かったと感じるのは、スピード感が身に付いたことです。

患者さんが目の前で待っている中で急がなければいけない中でも正確さが求められているから、求められているものが在宅とは違いますね。

限られた時間で情報を読み解かないといけないし、服薬指導でも要点を正確に素早くかつ分かりやすく話さないといけないといけなかったので、そのスキルを身につけられて良かったと思ってます。

一方、在宅では残薬や生活の状況が見えるので、入ってくる情報がぜんぜん違います。お宅にお邪魔するので、情報が立体的になる感じです。

外来では投薬カウンターで患者さんから聞き出さないといけなかった情報がいくつかありましたが、患者さんの生の情報と触れ合うことになるので、気になるところが一気に見えます。

外来では薬をツールに患者さんと信頼関係をつくっている側面がありましたが、在宅では患者さんの生活に踏み込ませてもらうことで、テレビ壊れてるとか気づきがあります。

一見、薬とは関係のない話に聞こえるかもしれませんが、直してあげたりすることで、そこから信頼関係がつくれてきます。徐々にコンプライアンスが良くなったりとか本当にあるんですよ。それが面白いですね。

外来と在宅の両方を経験して思うのが、表面上のことを解決しようとしても意味がないことでした。

あと、答えが一つじゃないから難しいとも思いました。その患者さん自身が自分で生活に向き合って解決しないといけない課題もありますし、アプローチの仕方が無限にある気がするんですよね。

Q6.みきさんが目指していることは?

大きな目標とかはありませんが、組織の中で私が居てくれてよかったなぁって思ってくれれば良いぐらいに思っています。

薬剤師の業務とは少し離れた改善だったりをしていくのも良いなぁと思うこともあります。でも、それによって患者さんとの距離ができてしまうと、本質的な改善や患者さんのための改善ができなくなってしまうとも思ってます。

偉い人たちが高級なソファーで話し合って決めていることが、本質的な改善につながるイメージがあまり付かないと言うか…

まずは、目の前のことにもっと注力して出来る仕事の範囲を広げて、一人ひとりの患者さんと向き合える力を身に着けて行きたいと思います!