オンライン会社説明会(ZOOM開催、入退室自由)

患者さんが主語になる現場で、私らしさを見つける

今回の「まんまるの輪」は、まんまる薬局の薬剤師・菅原さんへのインタビューです。新卒で病院に就職し、急性期の病棟で働いたのち、昨年8月にまんまる薬局へ。入社して約10ヶ月、在宅医療の現場で日々奮闘する菅原さんに、転職のきっかけや、現場で感じた病院とのちがい、そしてこれから挑戦したいことまでたっぷりとうかがいました。誠実で、どこかやわらかい菅原さんの言葉を、そのままお届けします!

「これでいいのかな」—— 病院で感じた、対物業務のもどかしさ

私はもともと、新卒で薬剤師として就職するときから「いつか絶対に在宅に関わりたい」と思っていました。学生時代の実習で在宅を経験したことが、その原点になっています。

新卒で入った病院では、脳外科と泌尿器の混合病棟を担当していました。そこで日々感じていたのが、入院してくる患者さんたちの「お薬が飲めていない」という現実です。持ってこられたお薬の残薬を見ると、飲みきれていないんだろうなと一目でわかる方がたくさんいて。でも、私にできることといえば、退院のときに一包化をしたり、「お薬カレンダーというものがありますよ」とご紹介するくらい。「これでいいのかな」と、ずっと心のどこかで思っていました。

病院って、どうしても対人業務というより対物業務感があるんですよね。それに、看護師さんなど医療従事者が患者さんにお薬を届けてくださる分、どうしても医療従事者の都合で優先順位が生まれてしまう感覚もあって。もっと患者さんが主語になるような、患者さんに合わせた医療がしたい。そう思ったときに、やっぱり行き着くのは在宅だなと感じていました。

ボランチ制度に運命を感じて —— 運転できない私でも

転職を考えていたちょうどその頃、私は上板橋に引っ越してきたんです。そうしたら、たまたまインスタグラムでまんまる薬局のことが流れてきて「こんなに楽しそうないい薬局、近くにはないだろうな」と思って見てみたら、まさかの上板橋に店舗があって。これはもう運命を感じてしまって、その日のうちに梨沙さんへメールを送ったのを覚えています(笑)。

まんまるに惹かれた大きな理由が、ボランチ制度の存在でした。実は私、新卒のときに在宅を選びきれなかった理由のひとつが「車の運転ができない」ことだったんです。免許は持っているんですけど、教習所の段階で「これは向いていないぞ」と実感してしまって。だから、運転できない自分でも100%在宅の世界に入れるなら、こんなに魅力的なことはないなと思いました。

インスタの広告を見つけたその日に、りささんへ見学を申し込みました。一度ミーティングでどんなことに興味があるのかをお話しさせていただいて、「一度、訪問同行においでよ」と言っていただいたんです。

患者さんが自由でいられる場所 —— 同行で見た、もうひとつの医療

同行では、ありささんと秦さんの訪問便にお邪魔しました。そこでまず感じたのは、本当にいろんな患者さんがいらっしゃるということ。そして、病院とはまったくちがう空気でした。

病院で服薬指導をするときって、患者さんはこちらをしっかり見て、真剣に話を聞いてくださるんです。半ばこちらが主導権を握っている感覚でした。でも在宅では、患者さんはご自宅にいらっしゃるので、すごく自由なんですよね。お話ししている途中でお手洗いに行かれたり、あまり聞いていなかったり(笑)。それって、患者さんがご自宅でいつも通りの生活ができているということで。「自宅で過ごしたい」という思いがしっかり叶う現場なんだと、すごくいいなと思いました。

決め手になったのは、秦さんの姿でした。薬剤師ってどうしてもお薬の説明に頭がいきがちなんですけど、秦さんは患者さんのお宅で「ここ、家具のレイアウト変わりましたね」と気づいて、そこから会話を広げていく。お薬以外のことに目を向けられる方がいる環境なら、患者さんをよく知るきっかけがたくさんつくれるなと感じたんです。

忙しさを楽しむ —— 入社後にぶつかった壁と、支えてくれた人

実際に現場に入って、戸惑ったことは大きく二つありました。

ひとつは、服薬指導のスタイルです。病院では聞きたいことを全部聞ききれたのに、在宅では患者さんのご自宅に足を踏み入れさせてもらっている分、完璧に聞ききるのは難しい。最初は「ひとつしか聞けなかった、次に会うのは2週間後なのに」と、もどかしさを感じていました。雑談だけで終わってしまった日に「これでよかったのかな」と思うことも。でも、ひとつ聞けただけでも十分なんだと気づくまでに、少し時間がかかりました。

もうひとつは、思っていたよりもずっと忙しかったこと。病院では定時で上がれていた生活リズムがガラッと変わって、体力的にしんどい時期もありました。そんなとき、見学に来られた薬剤師さんへ向けて、どなたかが「忙しいのを楽しむところなんだよ」とおっしゃっていて。大変な状況も楽しんでやっていけるようになってきたのかなと思っています。

この時期を乗り越えられたのは、同じ8月入社の山城さんの存在が大きかったです。お互い中途で入って「忙しくてびっくりだね」と言い合いながら、帰り道に今日の学びを共有していました。調剤室のみんなにも、自分から話しかけられるようになってから、ぐっと楽になりました。

「怒らないの?」を強みに —— これから、攻める一年に

私が大切にしているのは、忙しいときほどご機嫌でいること。どんな状況でも、周りに圧や「大変さ」を与えないように、忙しいときほどポップに焦ろう、と意識しています。一人でも機嫌の悪い人がいると、閉じた空間では空気が変わってしまいますから。

実は私、昔から「怒ることあるの?」「喧嘩することあるの?」とよく聞かれるんです。最初は仕事もそんなに早くないし「いるだけになっていないかな」と悩んでいたのですが、あるとき、それは「話しかけやすい」「相談しやすい」ということなのかもしれないと、ポジティブに捉え直したんです。訪問や調剤室を回す力はまだまだですが、自分が中途で入ってつらかったからこそ、これから入ってくる方にとって話しかけやすい存在になれたらと思っています。

最近では、亡くなられた若い患者さんを担当したこともありました。毎週訪問するなかで弱っていく姿を目にして、「もっとできることはなかったのかな」と。お薬を届けることへの付加価値で何ができるのか、答えはまだ出ませんが、心に刻むきっかけになりました。

一緒に訪問を回るレーブさんやふうかさんも、私の憧れです。レーブさんはいるだけで周りが明るくなる方で、ふうかさんは自分の思いを言葉にするのが本当に上手。私は人見知りで、自分から行くのが苦手なんです。でも今年は、もっと受け身ではなく「攻める一年」にしたい。自分から話しかけて、上板橋の雰囲気を自分でつくっていける存在になれたらと思っています。

何でも始めたては苦手だけど、続けるうちにできるようになる。私はきっと、そういうタイプなので。