足立区・綾瀬を最寄りに育ち、在宅医療と“雑談から始まるケア”を実践してきた薬剤師・石丸勝之さん。2025年7月1日に開局した「まんまる薬局ST足立」の管理薬剤師として、準備期の舞台裏、足立という土地の手触り、そしてこれからの挑戦を聞きました。
まんまる薬局ST足立の開局までの道のりは?

学会でお会いした先生からご相談をいただいたのが出発点でした。僕も足立区出身ということもあって、強く関わりたい気持ちがありました。幼少期から大学6年まで最寄りが綾瀬駅。自分を形づくってくれた環境で仕事がしたい、準備段階からできることは全部やりたい、そう思って松岡社長にもお話しさせていただき、ST足立のオープンまで走り切りました。

オープンして2ヶ月が経ちますが、足立区の健康課題やニーズはありますか?
生活背景がハードな方も少なくないなという印象です。医療だけではどうしても届けない場所もありそうだなと…。
まずは薬局として寄り添える接点を、地道に増やしていきたいです。
開局当初は大変ですか?
久しぶりに自分の手で定期訪問をしっかり持って回して指示も出して、大変といえば大変です。ですが、やっぱり訪問は面白いなとも感じています。

あと人数がギュッとした分、責任範囲がクリアになって、むしろ心の余裕は生まれたのかもしれません。

RWG青砥とST足立の開局を比べていかがですか?
まんまる薬局全店舗に言えることですが、やっぱりRWG青砥でもST足立の立ち上げでも、「ボランチ」の存在には助かっていますし、まんまるの”強み”だなとも思います。

ぱっと思いつくだけでも、
- 訪問全体の舵取り
- お薬管理の伴走
- 多職種連携のハブ
という3つの軸を担ってくれています。
それだけでなく、その患者さんに関わる医療従事者たちを同じ方向に揃えてくれる動きもしてくれます。
ある患者さんのお誕生日が近づいたとき、ボランチの涼子ちゃんがカレンダーに「おめでとう!!」と付箋を貼ってくれたんです。医師や看護師、ケアマネさんもそれを見て患者さんへ声をかけるきっかけになって――その患者さんは寡黙な方なのですが「その付箋は捨てないでくれ」と。
ボランチについての仕組みや制度だけを文面で伝えると、“ドライ”な印象に見えがちな役割だけれど、実際は心の温度を上げる仕事なんだと改めて石丸自身も思いました。
石丸さんのキャリアで、今回の開局はどのような位置づけ?

「足立をオープンしました」という一点ではなく、青砥と足立の二店舗、もっと言えば23区の“東”をどう観るかという視野の拡張だと受け止めています。
2店舗をすべて見切れているかと言われたら、まだまだ成長段階です。青砥からのフィードバックをもっと細かく取りに行くべきだし、RWG青砥の管理薬剤師の方との連携もどんどん強めたいと思ってます。
最後にーー読者・仲間へ

まんまるの良さは、スモールで直ぐに実践できること。
社会に向けて「こうすれば、こう変わる」を確かめるのが好きな人が多いし、“新芽”を踏み潰す人がいない。だからこそ「これ、いいかも」と思う芽生えを、気軽に口にしてほしいです。
管理薬剤師として取り入れて、アップデートし続けます。
僕にとっての芽生えは、34年お世話になってきた地域にお返しができること。みんなの芽生えも持ち寄って、研鑽し、喜びを分かち合っていきましょう。一緒に頑張っていきましょう。