2025年2月。初めての東京、初めての在宅医療。「まんまる薬局OMF光が丘」の立ち上げメンバーとして走り出したあべりこさん。右も左もわからない中でのスタートから、ちょうど1年が経ちました。
立ち上げ当初のリアルな苦悩から、患者さんとの忘れられないエピソード、そしてチームで見つけた「頼る勇気」まで。この1年の軌跡を振り返っていただきました。
自分たちで作っていく楽しさと、正解のない毎日

――まずは、光が丘店の立ち上げメンバーになった時の心境を教えてください。
実は、「いつの間にか光が丘だった」というのが正直なところです(笑)
最初に休み希望を聞かれて「土日休み希望」と伝えたら、「それなら光が丘店だね」と配属が決まりました。
でも、不安はありませんでしたね。東京自体が初めての土地でしたし、既存店に入るよりも、店長と二人三脚でルールを決めていく方が自分には合っている気がして。「これから自分たちで色々作っていけるんだ!」というワクワク感の方が大きかったです。良い意味でも悪い意味でも型がハマっていないので、とてもやりやすかったです。
――オープン当初、一番「大変だったこと」は何ですか?
既存店である上板橋から来たメンバーに質問された時、答えられないことが多かったことです。2月に入社して夏頃までは、業務フローや細かいルールについて聞かれてもスムーズに返せず、そこが一番もどかしくて大変でしたね。
――1年経った今、「ここが変わった!」と感じる部分は?
一番は関係性の深まりによって患者さんの数が分かりやすく増えたことです。クリニックやケアマネジャーの方々と話す機会も増えていくので「あ、またこの担当の方だ」と認識し合えるようになった数が増えたことも実感する瞬間です。関係性を意識するようになったので、病院薬剤師時代とは違い、今は薬局に関わる数値周りのことや社外の方との関係構築まで考えるようになったのは、私個人でも大きな変化だと思います。
「あなたと同じ上着が欲しい」と言われた日
ーーこの1年で、一番印象に残っている患者さんとのエピソードを教えてください。
ある患者さんとの出会いが、私の中で一番大きかったです。その方は、他のベテラン薬剤師さんがもともと4年間担当されていて、引き継いだ当初は私に見向きもしてくれませんでした。
それでも訪問を重ねるうちに、ある日に「私と同じ上着が欲しい」と言ってくださったり、私自身にも「ありがとう」と言葉をかけてくれるようになったんです。薬の相談をしたい時と、ただ雑談をしたい時(美味しい食べ物の話など)を使い分けてくださるようになり、「薬剤師」としてだけでなく「人」として受け入れてもらえたと感じた瞬間でした。
――薬学的な介入で印象に残っていることはありますか?
4つのクリニックにかかっていて、「病院に行かないと落ち着かない」という患者さんがいらっしゃいました。処方内容を見ると多剤併用による副作用の懸念があったため、最も処方が出ているメインのクリニックに相談し、減薬をご提案しました。患者さんの不安に寄り添いながら、薬学的視点で減薬の整理ができた事例です。
――立ち上げ店舗だからこそ学べたことは何ですか?
毎日が試行錯誤、これに尽きます。「こっちで駄目だったから、次はこうしてみよう」の繰り返しです。特に光が丘店は上板橋店ほど人数が多くないので、誰かが休んだ時やシフトの都合がつかない時に、どうすれば全員で回せるか。業務フローの変更も含め、毎日考えながら走ってきて毎日が学びだった1年でした。
頼っていいよと言われた同僚からの言葉に救われた

――立ち上げメンバーの結束力を感じる瞬間は?
日々の業務に追われていると忘れがちですが、金曜日に訪問がスムーズに回って早く終わった時や、新規のご依頼が増えている時は実感しますね。あと、事業所の方から感謝された時も感じます。事業所やご家族から感謝されたときに「まんまる薬局と患者さん間」だけでなく、ご家族や事業所からも評価をいただいていることになるので、このときにチームとしての誇りを感じます。
――新しいメンバーも増えてきましたが、今のチームはどうですか?
今はヘルプ(週2〜3回)の方が多いのですが、実は一時期、人手不足で辛い時期がありました。週に1回しか訪問に出られず、私が薬局に残り続けて電話対応、処方チェック、鑑査をすべてこなさなければならない期間が1〜2ヶ月続いたんです。
自分が全部やらなきゃと、目の前の業務を一人でこなそうとしてパンク寸前でした。そんな時、ヘルプに来てくれた「はるさん」が言ってくれたんです。
「もっと頼っていいんだよ」
私より年齢は1つ上のお姉さんで、その言葉に救われました。それまでは「私よりも若いけど、まんまる歴が長い先輩には頼みづらい」と勝手に思っていたんです。ただその声掛けをいただいてから、人のありがたみを痛感しましたし、それからは自然と「ありがとう」という感謝が口から出るようになりました。
病院時代は部署ごとに分業されていて見えなかった「仲間のありがたみ」を、光が丘では日々感じています。
またヘルプに行きたい!と思われる人気店舗へ

――2年目の目標を教えてください。
個人的な目標と店舗としての目標があります。
【個人的な目標】今はまだ、ボランチ(訪問アシスタントスタッフ)さんに頼りきりな部分があるので、もっと自立したいです。一緒に回っているボランチの都ちゃんの患者さんへの細かい気配りが本当にすごいので、その観察眼や気配りを自分自身も身につけていきたいです。
【店舗としての目標】光が丘店はヘルプの方に支えられている店舗です。だからこそ、「光が丘にヘルプで行けるのは嬉しい!」「あそこに行くと元気になれる!」と思ってもらえるような、明るい雰囲気の店舗にしていきパワーを与えられるような店舗にさらにしていきたいです。
編集後記
インタビュー中、あべりこさんが何度も口にしていたのは「感謝」という言葉でした。立ち上げの混沌、一人で抱え込んだ孤独、そこから頼ることを知って得たチームの絆。この1年の経験は、きっとOMF光が丘の温かい土台になっていると思いました。2年目を迎えたあべりこさんとOMF光が丘のさらなる進化が楽しみです!
