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在宅未経験で広島から関東へ。~薬剤師2年目・松岡悠香さんが語る人への想い~

薬剤師として働き始めて2年目、広島から関東へと活動の場を移し、ドラッグストアから在宅薬局への転職を決意した松岡悠香さん。患者さんに感情移入しすぎてしまうというご自身の性格に悩みながらも、それを強みに変えて在宅業務に挑戦する彼女の想いを聞きました。

まんまる薬局に入社してまだ1ヶ月という悠香さんですが、その短い期間の中でも多くの気づきと学びを得られている様子でした。未経験である在宅業務への不安を抱えながらも、目の前の患者さんに何がベストなのかを考えて行動したいという強い想いを胸に、新しい環境で奮闘する彼女の姿は、転職を考える多くの薬剤師にとって示唆に富むものだと思います。

在宅への憧れと転職への想い

ーー新卒でのご就職先と当時の心境についてお聞かせいただけますか?

私が薬剤師としてのキャリアをスタートさせたのは、広島のドラッグストアでした。もともと在宅に興味があり、在宅業務では自分の専門知識が求められると感じていました。しかし同時に、薬剤師としてではなく人として相手に向き合って、感情移入しすぎてしまう自分の性格に悩んでいました。

そのため、まずはドラッグストアでOTCなどの知識や経験を積んで、薬剤師として自分を磨こうと考えていました。しかし、ドラッグストアで働き始めて9ヶ月が経った頃、このままでいいのかという疑問が生まれました。就職当初は自発的にいろいろなことをしたいと思っていましたが、数ヶ月経ってから疲弊して気力が湧いてこなくなってしまい、そんな自分がもどかしく感じていました。

転機となったのは、SNSでまんまる薬局の存在を知ったことでした。まずは会社説明会に参加することを決意しましたが、同期と会いに行けなくなることや、未経験の在宅業務への不安もありました。それでも、現状への危機感から新たな道を選択しました。

まんまる薬局での新しい発見

ーーまんまる薬局に入って、驚いたことは何かありますか?

まんまる薬局に入社して1ヶ月、最も驚いたのは職場環境の違いでした。具体的に言うと、使うツールが多くて紙が少なかったことです。ドラッグストアでは帳票類が1ヶ月に1箱貯まるほど、紙か薬しか視界になかったのに対し、こんなに紙がない薬局は不思議でした。紙が多いことがストレスだったと気づき、データにするだけでこんなに整理されるんだ…と驚きました。

さらに印象的だったのは、職場の人間関係や文化の違いでした。調剤室の人たちを見て、いかに相手を思いやって仕事をしているかという点が特徴的でした。ホチキスの留める順番もしっかり考えたことがなかったのに、まんまる薬局ではどこで留めると飲みやすくなるのかなど、細かな配慮をされていることに気づかされました。

また、中途入社のサポート体制についても、わりと手厚いと感じています。「クラウド」という何となく単語の存在は知っていても、定義が分からなかったことを分かるように教えてくれたり、一つ一つのツールも丁寧に教えてもらっています。前職では中途の人は自分で頑張ってキャッチアップしてね!という雰囲気でしたが、まんまる薬局では疑問に思ったことを聞けば教えてくれる環境があります。

在宅業務での学びと成長

ーー実際に働いてみて、在宅の薬局はどうですか?

外来業務がメインだった私にとって、在宅訪問は全く新しい世界でした。一人ひとりの患者さんに向き合いたい、今までしっかり向き合うことができなかった分、ちゃんと患者さんの状態を見分ける薬剤師になりたいと考えています。同時に自分の知識がついた状態での転職ではないので、先輩方から学び、しっかりとアセスメントができるようになりたいと思っています。自分の担当がある分、責任も重大だと感じています。

なにか具体的なエピソードってあったりしますか?

はい。すでに印象的だったことがあって、初回訪問でお元気だった患者さんの顎のかみ合わせに私が違和感を感じたエピソードです。顎のかみ合わせ以外は、気になるところがなかったのですが、2回目・3回目と訪問するうちに患者さんの状態が悪化していきました。顎が原因で全身症状が出たわけではないと思いますが、違和感は大事にした方がいいと感じましたし、自信がなくても同行している薬剤師やボランチの方にすぐに相談していった方が良いなと確信しました。

その過程で最も印象深かったのは、患者さんから「苦しいから体勢を変えてほしい」と言われた時のことです。どういうふうに体勢を変えてあげたほうが患者さんが楽になるのか分からず、苦しそうにしている患者さんを見ているのも辛くて、どうにかしようとしてもできなくて悔しく感じました。もともと患者さんと向き合いたいと思っていたのに、まだ向き合えていない感じがして歯がゆい思いをしました。

先輩薬剤師との対話を通じて、楽になる体勢など薬以外の勉強の大切さや必要性について話し合えました。

今後の目標と想い

ーー今後、どのような”人”になりたいですか?

私は、薬剤師というよりも人としていろんなことに興味を持てる人間になりたいと考えています。大学時代の先生から、いい意味で人に興味がないと言われたことがあります。そのとおりだと思ってて人に対して一線を引いてしまったり、その人がどういう生活をしていてどういう時に困るのか、職場のメンバーに対してもどうすれば助けられるのかをちゃんと考えたことがありませんでした。

これまでとこれからのまんまる薬局での経験を通じて、自分で気づいたり考えられる人になりたいと思うようになりました。良くしてくれていた身近の親戚のおじさんが60歳で亡くなった経験からも、自分がいま生きている時間は無限ではないと再認識していたので、自分がやりたいこと・やりたい仕事をやれるうちにやろうと決めています。

一歩踏み出そうとしている方へ

まんまる薬局に応募する時に背中を押してくれた言葉がありました。人に感情移入しすぎてしまうことをネックに感じていた私に、ある人が「自分たちにも時間に限りがあるんだよ」と言ってくれました。患者さんのことを可哀想と捉えていた私にとって、この言葉は大きなパラダイムシフトとなりました。

上京することは勇気がいることですが、その一歩が新たな可能性を開く鍵となることもあります。限りある時間の中で自分らしいキャリアを築いていくことは大切だなと思ってます。