現役薬学生に向けたキャリア支援イベント「PA-C-MANサミット」を、パナプラス薬局・くるーず薬局・まんまる薬局の三社合同で開催してきました。第3回となる今回は、まんまる薬局の拠点である東京で実施しました。
運営には総勢14名の薬剤師も参画し、まんまる薬局からも多くのメンバーが参加。松岡さんの特別講義に加え、「存在の意義」を深掘りするワークを通じて、将来像を具体化する学びの機会となりました。
Day1|視点を入れ替えることから、言葉が生まれる

オープニングでは運営よりサミットの趣旨と過去回の学びを共有し、続く薬剤師と薬学生の自己紹介では関心の領域や現場での経験を短く語り合い、会場に熱が生まれ始めました。
ワーク1:地域まるごと病棟を再定義する
「否定しない/全員が話す/意見を可視化する」をルールに、まず薬剤師の視点で議論(ラウンド1)、次に患者・住民の視点に立ち替えて議論(ラウンド2)を行いました。
同じ問いでも、立場を変えるだけで言葉は変わっていました。最終的に各チームはポストイットに”再定義の言葉”を落とし込み、全体で発表しました!

このワークの土台を築いたのは、堀田亜莉沙さんと垣越咲穂さんです。堀田さんは、外来・在宅の立ち上げ、在宅調剤・訪問、社内オンボーディング、訪問栄養の立ち上げを牽引。垣越さんは、国立病院機構で急性期・慢性期を経験し、その後は遠隔医療通訳のCS/PMを務めてきました。


ワーク2:写真で紐解く在宅医療
訪問現場の写真を手がかりに、①社会背景(看取り難民、2025年問題、家族構成、医療費・介護保険)→②医療者の観察(人・環境・リスク)→③患者・家族の気持ちを想像、の3ステップで議論しました。
写真の奥にある生活に思いを馳せ、「この環境だからこそ生まれる価値」にチームごとに写真に印を付けて発表し、質疑応答も白熱していました。

参加した学生からは、「言葉では見えにくい情報が日常の風景に宿っている。写真から背景を読み取る力を鍛えたい」という声や「病院と薬局の連携は“仕組み”だけでは届かない。誰がどう受け取り、どう渡すかまで想像する必要がある」という声など、このワークへのお声を多くいただきました。
Day2|”なるわたし”を宣言する
2日目の中心は「まんまる社員座談会」。hitotofrom/まんまる薬局のメンバーが失敗も含めた”歩み”を語り、学生は自分の将来像を言語化していきました。

- 小日向優哉さん:OMF光が丘の管理薬剤師で、在宅調剤・訪問を担い、「心を届ける」を軸に困りごとへ自ら飛び込む姿勢を貫く。
- 星野真弓さん:CRO→漢方薬局で修行→店舗立ち上げというキャリアで、「目の前に誠実」を仕事の基準にしている。
- 戸田成美さん:新卒でまんまる薬局に入職し、患者さんの背景を知る姿勢からCF上板橋だけでなく、RWG青砥などの他店舗からも引っ張りだこであるそう。
- 岸和さん:ドラッグストア→システム開発・研修オンボーディングという業界の中でも異色のキャリアで、関わる人が”らしさ”を発揮できる環境を設計している。
- 岡亜矢さん:病院→まんまる薬局で在宅と外来をこなす。薬剤師としての視点だけでなく、人としてできることを追求し、心身の健康を最重要視して訪問をこなしている。
座談会が終わったあとは、順番に紙に書いた”なりたいわたし”をみんなの前で発表しました。


自然と拍手が沸き起こり、他の参加者の「なりたいわたし」を聞くことで刺激をもらう場面もありました✨️
また、2日間を通して仲も深まり全員が堂々とみんなの前で発表できていたことも印象的でした。


「理想像の先にある“なるわたし”」
第3回PA-C-MANサミットは、参加者一人ひとりが「なるわたし」を言葉にできた場となりました。理想像を追い求めるだけでは届かない領域だからこそ、現場を知ってもう一度考えてみる。
ここで結ばれた関係と宣言が、地域の暮らしを支える医療の実装に繋がっていくことが楽しみです。

全3回のPA-C-MANサミットは幕を下ろしました。次の出会いと学びに、ご期待ください。
