安定した環境を捨て、まんまる薬局の創業メンバーの一人として、事業に属する側から自ら事業を起こす側になった薬局長のゆりさんへのインタビューです!
薬局長としてのゆりさん、ベンチャーの役員としてのゆりさん、両方の素顔について伺いました。
Q1.薬剤師を目指したきっかけは何だったんですか?
高校生のときに薬に助けられたことがきっかけでした。
バスケ中に前十字靭帯断裂っていう怪我しちゃって手術することになったんですが、全身麻酔はもちろんのこと、術後の痛みに対しての薬の効果に驚いたんですよね。
激痛を簡単に消しちゃう薬ってすごいなぁと思って、そこから薬剤師に興味を持ちました。
Q2.なぜまんまる薬局を一緒に立ち上げようと思ったんですか?
患者さんのための在宅(訪問薬剤)が必要と思っていたからです。「患者さんのためにやりたい」この気持ちだけでした。
外来調剤は受け渡しだけのルーティン業務に感じる瞬間が多くあった一方で、在宅は患者様の状況や背景に合わせて対応の仕方がガラッと変わります。
例えば、患者さんにあった薬の管理の仕方を考えたり、時には患者さんの生活にまで踏み込まないと解決できない課題もあります。なにより患者さんからの信用を確実に積み重ねていかなければなりません。
在宅をやり始めてから薬をお渡しするだけでは、終わらないのが在宅の難しさであるとも感じています。でも、この先にやりがいがあるのではないかとも感じました。
ある時、患者さんのご自宅にうかがった際に薬の山がありました。
理由は今までもらっていた薬の量が多くて、いつどの薬をどれくらいの量服用しないといけないのか分からず飲めていないとのことでした。
もちろん薬局で薬剤師から説明を受けていると思いますが、そんな現状を見て、薬をお渡ししてからでも薬剤師のできることって実はたくさんあるなぁと思ったんですよね。
薬を渡すことが薬剤師としてのゴールではないと強く感じたんです。
Q3.患者さんへの最大限サポートとして薬剤師ができることは?
患者さんから自分の家族だと思ってもらえるように心がけています。
家にお邪魔させて頂く時に、患者さんの抵抗を少しでも無くすために、さまざまなことを意識しています。
- マナー
- 所作
- 話し手順
- 声色
- 声のトーン
ちょっとした不安から取り除いていき、心を開いてもらえやすい環境を作ることが大事だと思っています。
最初からこだわれていたわけではなく、在宅を始めたばかりの時に、ある看護師さんに言われたことがこの考え方に繋がっています。

仮にその患者さんが天涯孤独な方であっても、最後の最後まで味方でいたい。そんな接し方を心がけてます。
患者さんの現状だけではなく、見えない部分、例えば過去や生き方までも背負う覚悟でいます。
このお話をお聞きした時に、どんな経験をしたらそんな言葉出るんだろう?と思ったんですよね。深く考えさせられました。そこからこだわりを持てるようになりました。
在宅では高齢の患者さんが多いので、私たちは孫世代に映ります。娘さんや息子さんに相談するようなことも相談してくれる時もあり、限りなく家族に近い存在になりたいと思っている部分とうまくフィットしました。
“患者さんへの最大限のサポートを薬剤師が担う”に近づけている瞬間ですね。
始めから薬剤師として接していたら気づけないことだったなと思います。薬剤師である前に人として接していただくためには、まず我々から患者さんに対して、一歩踏み込んでいくこと。それはどんな些細なことであってもいいんです。それが信頼関係を作る大きな一歩となって、私たち薬剤師が介在する価値になると思います。
Q4.薬剤師から見たボランチの存在とは?
一人ではないという安心感は大きいです。
在宅をはじめて間もない頃は、不安でした。どんな患者さんか分からないですし、他人の家に入るという恐怖もありました。薬だけお渡しして、早く帰りたいとまで考えちゃうほどでした。
でも、薬を渡して終わりになっては在宅の意義がない。
そんな時に誰かがいてくれるだけで安心感が全然違います。自分とは違う視点を持った存在という安心感もありますね。
患者さんの日常生活動作(ADL)の変化に気づけるボランチの存在に助かっています。
- 前回と比べた部屋の片付きの程度
- 以前出来ていたけど、出来なくなっていたこと
これによって患者さんにあった接し方や調剤方法を考え、変えてあげることで、よりパーソナライズした医療を提供することが出来ます。
自分だけの視点だと、薬のことで精一杯になってしまい気づくのが難しかったりします。薬以外のことに気を配ってくれる存在はありがたいです。
薬剤師とボランチとの二人三脚で患者さんの薬に関すること以外のこともトータルでサポートする。
まんまる薬局の目指すところであり、大切にしている姿勢です。
おまけゆりさんってどんな人?

自動車免許を持っていなくて、今まで総勢1000名くらいの患者さんに訪問している薬剤師です。まぁ、、、全国にいないと思います(笑)
その反面、現場での判断が早く患者さんの状態や課題などを早期にキャッチアップしてサポート体制や関わり方を変えていくスキルが輝いています。
そして、ミスが限りなく少ない。患者さんからも絶大な信頼感を寄せられていて、薬剤師のメンバーからも慕われていて大きな存在です!